• 武内一広

口腔細菌の家族感染を考える

最終更新: 2月25日

川越市の歯科医院、一デンタルパーク武内です。

昨日の雨がウソのように気持ちの良い朝ですね。

なんだか良い1日になりそうな予感がします。

みなさまも良い1日となりますように。

家族感染症?

今日はお口の細菌について考えてみたいと思います。

口腔内の疾患を引き起こす病原性のある細菌はどこからくるのでしょうか?

これはあまり知られていないんじゃないかなと思います。

矯正治療も、むし歯治療も、小児歯科も全ての治療の始まりはここにあります。

う蝕病原菌

さまざまな調査や研究からS.mutansなどのう蝕病原細菌は、母親をはじめとする家族から垂直感染することがわかってきています。

歯周病原菌

歯周病原細菌は夫婦などに同一株などがみられ、夫婦間での水平感染が示唆されます。

どちらの細菌も、何らかの形で家族から家族への感染が認められています

そのことから愛する家族の口腔を守るためにも、自分自身の口腔ケアを徹底したいものです。

感染の窓

生まれてまだ日の浅いお子さんにはう蝕病原菌はありません。

ではいつ細菌がやってくるかというと、生後19ヶ月から31ヶ月(平均26ヶ月)の間にう蝕病原菌に感染することがわかっています。

むしろ感染のリスクは日常的にあるわけではないことが示されています。

Caufieldらによれば、生後19ヶ月から31ヶ月(平均26ヶ月)の間に初感染が集中しており、彼らはこの時期を『Window of infectivity:感染の窓』と呼びました。

この時期は、ちょうど乳臼歯が生えだしてから生え揃うまでの期間です。

そのため、この感染の窓期間の乳児そして母親をはじめとする家族で感染を注意し、この時期の感染を遅らせるだけでも、う蝕リスクが減少することが複数の研究により示されています。

正しい知識と家族単位の口腔ケアが必須

では感染の可能性を少なくするために何ができるでしょうか?

そのためには感染しやすい状況からお伝えします。

例えば、奥歯がはえてからも食事などをお母さんが噛み与え続けているときは注意しましょう。

こういうときには、お母さん、お父さんには正しい感染の知識を持ってもらい、接触を避ける方向ではなく、自分自身の口腔を清潔に保つことが子供の口腔衛生につながることを理解し、臨んでもらうことが望ましいでしょう。

ある調査では、

初産の母子を子供が3歳になるまでの期間、お母さんの口腔管理を行ない、その後7歳になるまで子供の口腔を追跡調査した調査があります。

3歳までの子供への感染は何も行なわなかったグループに比べてう蝕病原細菌の検出率が非常に低く、その後低いまま保たれていることが示唆されています。。

※下野勉,壺内智郎,中村由貴子,福島康祐,岡崎好秀:乳幼児における妊婦歯科教室の効果;口衛誌49,544-545,1999

※Köhler B, Andreen I:Influence of caries-preventive measures in mothers on cariogenic bacteria and caries experience in their children; Archs.oral Biol.39,907-911,1994

実際に母親教室で妊婦に対しての徹底した口腔衛生指導(ブラッシング指導や噛み与えの影響など)を行った結果、

母親教室受講集団は2歳半までう蝕を全く作らなかったという報告もあり、家族の正しい知識と対策がいかに重要であることがわかります。

う蝕病原菌よりも歯周病原菌の方が感染に敏感

上述したようにう蝕菌であるMutans Streptococciは乳幼児期に感染を起こすことがほとんどですが、歯周病原細菌は親子間のみならず夫婦間での感染も認められるため、成人してからの感染もあることがわかっています。

2歳から12歳までの子供の歯肉の状態とプラークを調べたある研究では、全体の約8割に歯肉炎ないし歯周炎の様子が認められ、見られた子供のうち乳歯列期でも8.3% に歯周病菌が検出されたと報告があります。

まとめ

こう言ったことから、特にお母さん、お父さんのお口の中の環境を整えることは、自分の体と、家族(特にお子さん)を感染のリスクから守ることにつながります。

そのため、一人の治療の効果は、3人にも4人にも効果があることは知っておいていただきたいことになります。








小児歯科、矯正歯科も受け付けています。

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