カズデンタルブログ

学校の歯科検診でわかることってどんなこと?

はじめに

川越の歯科医院、一デンタルパークの武内です。
今日はクリスマスイブですね。
今年はコロナウイルスの影響で、イルミネーションの中止が多くなんだか楽しみが少なくなった気がします。
来年はもうちょっと制限が少なくできるように、皆さんで、手洗いうがい、3密を避けることなど感染対策を徹底していきましょう!

 

学校でわかるむし歯の状況

学校で歯の検診ってありましたよね?
むし歯があるとか、抜けそうな歯があると言う結果を受け取ったお子さんもいるんではないでしょうか?

 

今日は、令和2年度東京都の学校保健統計書の歯科疾患を例に、ご説明します。
難しそうと感じるかもしれません。
でも、簡単にご説明していきますのでご安心ください。

 

調査の目的

まずこの調査についてお話しします。
東京都学校歯科医会が行っている調査であり、幼稚園、小学校、中学校、高等学校等に勤務する学校歯科医が検診を行っています。

東京都内の児童生徒の歯・口の健康を守り、そして積極的に子供たちの口腔の健康増進を押しすすめることを目的としています。

 

調査の項目

この調査の項目は大きく分けて、
むし歯
歯ぐき
歯垢

の3項目に分かれます。

 

むし歯の被患率について

むし歯(う歯)被患率とは、むし歯(治療済みのむし歯を含む。) のある者の割合です。
今むし歯がないけど、昔治療したことがある人+今むし歯がある人だと思ってください。

これは年々減少しています。
令和2年度はむし歯被患率は、小学校37.11%、中学校33.28%、高等学校45.23%でした。

20年前の平成11年は小学校75.68%、中学校79.04%、高等学校86.86%なので、この20年の改善は大きな意味があると思います。
おおよそ半分になっていると思います。

 

しかし、逆に増えている調査があります。
歯周疾患と歯垢についてです。

 

歯ぐきについて

歯周疾患(歯ぐきの問題)は、図18-1に示しています。
歯ぐきに問題がある子が年々増加しています。
学童期には歯周病は発生しませんが、成人を越えてもなお、同じ状態であったなら歯周病を発症してもおかしくありません。

歯周病に代表される歯周疾患は、年齢とともに発症率が上がり、歯を失う1番の原因になります。

 

学年別歯肉の状態のグラフ

 

成人を迎えるまでは、体の内側の免疫力が活発ですし、歯周病になることは少ないです(以前は侵襲性歯周炎と呼ばれ若い人の歯がグラグラする病気もあります。)

 

むし歯と歯周病の違い

むし歯細菌が糖を栄養にして酸を発生してできる病気
歯周病→細菌が糖だけではなくなんでも栄養として、歯ぐきの中に深く侵入する病気

という違いがあります。
食べ物の変化によって砂糖の摂り方が変わってきたことでむし歯が減っている成果が出ていることもあります。
しかし歯周病は、糖だけを栄養とする細菌ではないので、表面に歯垢(=プラーク)が付着していることから発生します。

図18-2では歯垢の状況を見ています。
学生の時の磨き残しの習慣が、大人になった時のお口の中の状態に直結しますので、この統計から考えると、むし歯は減るけど歯周病は減らないと考えられます。

 

学年別歯垢の状態のグラフ

 

最後に

今まで私たち歯科医師は、むし歯を少なくすることを1つの目標にしていましたが、今後は歯周炎(歯ぐき病)についてもしっかりと指導していかなければいけないのだと考えさせられました。

 

これは東京都のデータなので、そのまま当てはめることもできませんが、埼玉県でもお口の状況が小学生の頃から良くなるようにもっと情報が伝わるといいなと思いました。

 

参考になれば幸いです。

 

 

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