カズデンタルブログ

歯周病が糖尿病の予防に関わる?歯ぐきと全身の意外な関係について

一デンタルパーク院長の武内です。

診療をしていると、「歯ぐきの腫れなんて、体とは関係ないですよね?」と聞かれることがよくあります。

歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を及ぼし合う「悪い相互作用」を引き起こすことが、研究でわかってきました。そして最近、その関係を裏付ける、かなりインパクトのある研究結果が発表されたんですね。

川越にお住まいの方はもちろん、糖尿病の指摘を受けている方にはぜひ知っておいてほしい内容です。

川越の歯科医院で歯周病と糖尿病・全身の健康の関係について説明を受ける患者

東北大学の研究が示したこと

2025年、東北大学大学院歯学研究科の研究チームが、40〜74歳の糖尿病患者さん約9万9,273人分の医療データを分析した結果を発表しました。

その内容がこちらです。

  • 歯科を受診しなかった人と比べて、年1回以上歯周病治療を受けた人は、人工透析に移行するリスクが約32%低かったと報告されています
  • 半年に1回以上治療を受けた人では、その差はさらに大きかったとされています

人工透析は、糖尿病が進行して腎臓の機能が落ちてしまったときに必要になる治療です。それを歯医者さんに通うことで防げる可能性がある、というのは、患者さんにお伝えするたびに驚かれるポイントです。

なぜ歯ぐきのケアが腎臓にまで関係するの?

「歯ぐきの腫れ」と「腎臓」、離れているようで実はつながっています。仕組みを簡単に説明しますね。

①歯周病になると、歯ぐきの中で炎症が起こり続けます
②その炎症物質が血液にのって全身をめぐります
③血糖値を下げる「インスリン」の働きが妨げられ、血糖コントロールが乱れやすくなります
④高血糖の状態が続くと、腎臓の血管にも負担がかかっていきます

つまり歯ぐきの炎症は、口の中だけで完結しない「全身の炎症」の入り口になりうる、ということなんですね。糖尿病の治療を頑張っていても、歯ぐきのケアが抜けていると片手落ちになってしまうかもしれません。

今日からできる、歯ぐきと血糖値のダブルケア

難しいことをする必要はありません。まずはこの3つから始めてみてください。

  • 歯と歯ぐきの境目を意識して磨く:歯周病菌は歯周ポケット(歯と歯ぐきの溝)にたまります。ゴシゴシ強く磨くのは逆効果で、歯ぐきを傷つけるだけなんです。ペン持ちで優しく、小刻みに動かすのがコツです
  • 歯ぐきからの出血・腫れを放置しない:「歯みがきで血が出るのはよくあること」と思っている方が多いのですが、それは初期の歯周病のサインであることが多いです。放っておくと歯周病が進行します
  • 半年に1回は歯科でのチェックを受ける:ご自身では見えない歯周ポケットの深さは、歯科での検査でないとわかりません。感覚に頼らずこまめに治療を受けた人ほど良い傾向になります

糖尿病の血糖コントロールをしている方は、歯科での定期的なクリーニングが、実は内科の治療と同じくらい大事な意味を持つ、と考えていただいて良いと思いますよ。

歯周病そのものの治療については、むし歯・歯周病治療のページでも詳しくご紹介しています。進行を防ぐには、まず今の状態を知ることが第一歩です。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、歯周病の検査の際に、糖尿病など全身疾患の既往についても必ずお伺いするようにしています。持病があるかどうかで、歯ぐきの状態の見方や、クリーニングの間隔の提案が変わってくるからなんですね。

「歯医者は歯だけ診てくれるところ」と思われがちなんですが、私たちとしては、お口の状態を通じて全身の健康にも目を向けるお手伝いができたら、と考えています。定期検診の際に、内科の主治医から言われていることがあれば、遠慮なく教えていただけると助かります。

継続的なケアが大事な分野なので、予防歯科のページも合わせてご覧いただけると、当院の考え方がより伝わるかなと思います。

▶ 関連記事:歯周病とは?原因・症状・予防・治療の基礎知識まとめ

気になる方は、まずご相談を

「最近、歯ぐきの調子が気になる」「健診で血糖値を指摘された」という方は、一人で抱え込まずに、まずは歯科医師に相談してみてください。埼玉県川越市(川越駅近く)の一デンタルパークでは、歯周病の検査・治療に力を入れています。

お気軽にお問い合わせください。


監修者プロフィール
武内一広(たけうち かずひろ)/歯科医師
一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)