カズデンタルブログ

入れ歯のお手入れは「ぬめり」が目安!|長持ちさせる洗い方と保管のコツ

一デンタルパーク院長の武内です。

9月に入って、朝晩は少し過ごしやすくなりましたね。
ただ、台風の影響で急な雨、川の増水など身の回りの安全にはお気をつけてくださいね。

さて今日は、入れ歯のお手入れについてお話しします。

義歯に白いモヤモヤした汚れが付着していることがあります。
清掃状態についてお聞きすると、「毎日ちゃんと水で洗っていますよ」とのこと…。

お手入れはとても大事な習慣です。
ただ、それだけでは十分ではないことがあります。
今日はそこをお伝えします。ご家族の入れ歯が気になっている方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。

洗面台で入れ歯を専用ブラシで洗っている手元の様子(入れ歯のお手入れを解説する川越の一デンタルパークのイメージ)

入れ歯には「ぬめり」がつきます

入れ歯の表面を指でさわると、少しぬるっとすることがありませんか。

これ汚れだけではなく、細菌のかたまりです。

この細菌の中にはカンジダというカビの一種が存在しています。
放置すると、抵抗力の弱い高齢者の場合はカンジダ性口内炎を発症することがあります。

つまり入れ歯の汚れは、見た目や臭いの問題だけではありません。お口の病気につながります

洗い方の答えは「ぬめりが取れるまで」

では、どこまで洗えばいいのか。健康長寿ネットから引用して回答します。

洗浄は表面のぬるぬる感がなくなるまで行ってください。

時間でも回数でもなく、触った感触が目安です。これなら簡単ではないでしょうか?

そして、道具の使い分けも書かれています。

① 義歯用ブラシ
物理的に汚れをこすり落とします。普通の歯ブラシより毛が硬く、入れ歯の形に合わせた作りになっています。

② 義歯洗浄剤
ブラシが届かない細かい部分の汚れや、菌に働きかけます。少なくとも1週間に2回は使いましょうと示されています。

③ 両方を組み合わせるのが理想的
資料では「義歯用ブラシと義歯洗浄剤の併用が理想的」とされています。どちらか一方ではなく、両方です。

洗浄剤だけに頼っている方が意外と多いのですが、こすらないと落ちない汚れがあります

保管のしかたで、入れ歯の寿命が変わります

実は知らない方が多いところです。

入れ歯を乾燥させてはいけません。

従前の健康長寿ネットには、義歯は水や義歯洗浄剤につけて保管してください。
乾燥したままでは変形の原因になります
と書かれています。

洗ったあとティッシュの上に置いて乾かす、という方をときどきお見かけします。
必ず水につけて保管してください。

そしてもうひとつ、同資料にこんな注意書きがあります。

ティシュペーパーに包むと、ゴミと間違えられて捨てられてしまうことがあるので注意してください。

実際にあるお話です。外食先で包んで置いておいた、旅行先で枕元に置いた——そして無くなってしまう。保管場所はきちんと決めておくことが勧められています。

洗うときは、下に水を張っておきましょう

洗うときに入れ歯を落として割ってしまう事故は、本当に多いです。
硬い陶器の上に落ちれば、割れてもおかしくありません。

そこで資料では、下に水を張った洗面器などを置くと良いと勧められています。
万一落としても、水がクッションになります。

排水口に流してしまう事故も防げますね。今日から真似していただけると思います。

就寝時に外すのは、歯ぐきを休ませるため

「夜は入れ歯を外したほうがいいですか」というご質問もよくいただきます。

1日1回(就寝時など)、一定時間は義歯をはずすようにしてくださいとあります。
これは義歯の下の粘膜に安静と回復を与えるために重要とのことです。

やわらかい粘膜の上に、硬いものが一日中乗っている状態です。
休ませる時間が要る、ということですね。

外している間は、先ほどのとおり水につけて保管してください。

残っている歯こそ、念入りに

部分入れ歯をお使いの方に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

同資料には、残っている歯はとても大切ですので、通常通り歯みがきをしっかりやってください。
特にバネがかかる歯は汚れやすいので、念入りにみがいてください
と書かれています。

バネ(クラスプ)がかかっている歯は、汚れがたまりやすいうえに、毎日力もかかっています。次に失いやすい歯でもあります。

入れ歯のお手入ればかりに気を取られて、ご自身の歯がおろそかになる。これはとてももったいないので、両方セットで考えてください。歯ぐきの状態が気になる方はむし歯・歯周病治療のページもご覧ください。

こんなときは、我慢せず来てください

健康長寿ネットでは、次の場合はすみやかな歯科受診が勧められています。

  • ① 義歯が歯肉にあたって傷ができている
  • ② 食事が摂りにくい
  • ③ うまくしゃべれない
  • ④ 食事や会話中に義歯が外れる

そして歯肉の痛みが出たら早期に受診すること受診するまでは義歯の使用を控えて傷を大きくしないほうが賢明とされています。

「痛いけれど、慣れるまでの辛抱かな」と我慢される方が多いのですが、傷が大きくなると調整も治りも時間がかかります。早めにお持ちください。

なお定期検診については、3〜6か月おきが勧められています。気がつかないうちに噛み合わせが悪くなったり、歯がすり減ったりするためです。問題がなさそうな場合でも、と書かれているのがポイントですね。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、入れ歯をお使いの方にその場で洗ってみていただくことがあります。

言葉で「ぬめりが取れるまで」とお伝えしても、感覚はつかみにくいものです。
実際にさわっていただくと、「まだ残っていますね」と気づかれる方がほとんどです。

それから、入れ歯そのものより先に、歯ぐきと残っている歯を見ます
入れ歯が合わなくなる原因は、入れ歯側ではなく土手(歯ぐきと骨)の変化にあることが多いからです。
入れ歯を削って調整するだけでは、また同じことが起こります。

痛いところがあるかどうかも、こちらからお聞きします。遠慮される方が多いんです。
「このくらいなら」と言われた場所が、見てみると傷になっていることもあります。
言っていただいて大丈夫です

入れ歯の種類や選び方については入れ歯でお悩みの方へ、失った歯を補う方法の比較は歯を失ったらどうする?インプラント・入れ歯・ブリッジの違いでまとめています。
日ごろの予防については予防歯科のページもどうぞ。

川越で入れ歯のご相談は

「合わなくなってきた気がする」「作ってから何年も見てもらっていない」——そんな方こそ、一度お持ちください。

一デンタルパーク

敬老の日をきっかけに、ご家族の入れ歯を気にかけてみませんか。


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。入れ歯を「合わせ続ける」ことを大切にしています。

出典

・義歯の取り扱い|健康長寿ネット(公益財団法人 長寿科学振興財団)
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/ha-kokushikkan/gishi-toriatsukai.html

・義歯による痛み|健康長寿ネット(公益財団法人 長寿科学振興財団)
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/ha-kokushikkan/gishi-itami.html

・入れ歯の不具合について|テーマパーク8020(公益社団法人 日本歯科医師会)
https://www.jda.or.jp/park/lose/index17_04.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院でご相談ください。