小児歯科
歯みがきのあとのプラスワン!|フッ化物洗口のはなし
一デンタルパーク院長の武内です。
もうすぐ新学期ですね。生活のリズムが戻るこの時期は、習慣をひとつ足すのに向いたタイミングでもあります。
今日ご紹介したいのは、フッ化物洗口。ひとことで言えば「フッ素入りの液で、1分間ブクブクうがいをする」という方法です。
地域によっては学校や保育園で取り入れられているので、お子さんが経験ずみというご家庭もあるかもしれません。
一方で「聞いたことはあるけれど、よく知らない」という方も多いと思います。数字とあわせて整理してみましょう。

1分のうがいで、30〜80%の効果あり
まず、効果の話から。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、フッ化物洗口によるむし歯予防効果はおよそ30〜80%と報告されています。
幅があるのは、いつ始めたかで結果が変わるからです。
- 就学前から始めた場合:40〜80%
- 小学校入学後から始めた場合:30%前後
早く始めたほうが効果が高い、という傾向がはっきり出ていますね。
さらに興味深いのが、やめたあとも効果が残るという点です。
実施を終えたあとも、20歳の時点で50〜58%の予防効果が確認されたと報告されています。
子どものころの数年が、大人になってからも効いてくるわけです。
何歳から、いつまで?
目安としては、第一大臼歯(いわゆる6歳臼歯)が生えてくる就学前ごろに始めて、中学生まで続ける。
以前も書きましたが、生えたばかりの永久歯はまだ十分に硬くなっておらず、酸に溶かされやすい状態です。
歯の表面がしっかり硬くなるまでには数年かかります。
つまり、いちばん弱い時期に、いちばん手厚く守るという考え方です。
使用量の目安も年齢で変わります。
- 就学前:5〜7ml
- 小学生以上:10ml
「うがいの水を飲み込まずに吐き出せる」ことが前提になりますので、そこができる年齢からですね。
ご家庭で行う場合の進め方
学校で実施されていない地域でも、ご家庭で取り入れることができます。
濃度の目安
- 歯科医院で購入するもの:250ppm程度
- 薬局で買えるもの(OTC):225ppm程度
どちらも毎日使うタイプです。
なお、学校などの集団で行う場合は、週5回法(225ppm)と週1回法(900ppm)があります。
回数が少ないぶん濃度が高い、という設計になっているんですね。
やり方
- 液を口に含む
- 1分間ブクブクうがいをする
- 吐き出す
- そのあと30分は飲食・うがいをしない
最後の「30分」がポイントです。せっかく歯の表面についたフッ化物を長く聴かせたいのですぐ洗い流さないようにしてください。
タイミングは、ご家庭なら就寝前の歯みがきのあとが適切とされています。
寝ている間は唾液が減るので、フッ化物がとどまりやすいんですね。
学校では授業の直前、保育園ではお昼寝の前に行われることが多いようです。
お子さんのお口については小児歯科・マタニティ歯科のページも、日ごろの予防は予防歯科のページもご覧ください。
「フッ素づけ」にならないの?
こう聞かれることがあります。
歯みがき粉にもフッ素、塗布でもフッ素、洗口でもフッ素。全体的な量が多すぎることはないの?と伺うことがあります。
歯みがき粉は毎日の基本、歯科医院での塗布は高濃度を年に数回、洗口はその中間を毎日少しずつ。そのため飲み込む量としては微量となります。
また先にお伝えしたように、お子さんの年齢・むし歯のなりやすさ・生活習慣によって、必要な組み合わせは変わります。
全部やればいいというものでもありません。ここは実際にお口を見て判断させていただくのがいちばん確実です。
一デンタルパークではどのようにしているか?
当院では、フッ化物洗口をご希望の方に、まず続けられそうかどうかを一緒に考えるようにしています。
この方法の効果はコツコツ続けると安心につながります。
ご家庭の生活リズムに無理なく入るかどうか考えています。
それから、お子さんがきちんと吐き出せるかを実際に見せていただくこともあります。
飲み込んでしまう年齢では、まだ早いという判断になります。
「うちは学校でやっているので、家では不要ですか?」というご質問もよくいただきます。
これは学校での実施頻度と、お子さんのむし歯のリスク次第です。重ねる必要がない場合もありますので、遠慮なくお尋ねください。
川越で子どものむし歯予防のご相談は
「うちの子に合う予防はどれだろう」——そんなご相談だけでも構いません。新学期が始まる前に、一度お口の状態を確認しておくと安心ですよ。
一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する
夏休みのうちに、ぜひどうぞ。
▶ 関連記事:学校の歯科健診で「要受診」と言われたら/子どもの歯を守るには?まとめ
監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。ご家庭で続けられる予防の形を一緒に考えることを大切にしています。
出典
・フッ化物洗口|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-009.html
・フッ化物利用(概論)|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-006.html
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院でご相談ください。







