カズデンタルブログ

学校の歯科健診で「要受診」と言われたら|夏休み中に済ませたい理由

一デンタルパーク院長の武内です。

お盆も半ばに差し掛かり、夏休みも気づけば残り2週間ほどになりました。

この時期になると、私はいつも同じことをお伝えしたくなります。春の学校歯科健診でもらった健診結果紙のことです。

「受診をおすすめします」と書かれたお知らせ。冷蔵庫に貼ったまま、あるいは引き出しの奥で、そのままになっていませんか。

内容についてわからないこともあると思いますので今日はこちらを解説していきます。

夏休みに歯科医院で歯の健診を受ける小学生と歯科医師の様子(川越の一デンタルパークのイメージ)

子どものむし歯の8割以上は「奥歯の溝」から

はじめに知っておいていただきたいデータがあります。

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、こどもに発生するむし歯の8割以上が、奥歯の溝(小窩裂溝)から発生していると報告されています。

奥歯の噛む面には、複雑な溝がありますよね。あそこは歯ブラシの毛先が物理的に届かないんです。
どんなに一生懸命みがいても、溝の底までは入っていきません。

つまり、学校の健診で見つかるむし歯の多くは、「みがき方が足りなかった」というより「構造的に届かない場所」で起きているということなんですね。お子さんを責める必要はまったくありません。

生えたての永久歯は、まだ「やわらかい」

もうひとつ、大事な話を。

生えて間もない永久歯は、石灰化が未成熟です。
つまり、大人の歯と比べてまだ十分に硬くなっておらず、酸に溶かされやすい状態にあります。

そして、しっかり硬くなるまでには生えてから2〜4年かかるとされています。

小学校の低〜中学年で生えてくる奥歯(いわゆる6歳臼歯)を思い浮かべてください。
生えたばかりで背が低く、歯ブラシが当たりにくい。溝が深い。おまけに歯自体がまだやわらかい。——条件が全部そろってしまっているんです。

だから、この時期に見つかったむし歯は、進むのが早い
「様子を見ましょう」が通用しにくいんですね。ここが大人の歯との大きな違いです。

年齢で変わる、歯みがき粉の使い方

ついでに、ご家庭で今日からできることも。

フッ化物配合の歯みがき粉は、年齢によって推奨される濃度と量が違います

  • 幼少期:1000ppm程度の濃度を、ごく少量
  • 3〜5歳:グリーンピース程度の量
  • 6歳以降:1500ppm程度の濃度を、歯ブラシ全体に

意外と「ずっと同じものを使っている」というご家庭が多いんですよ。
6歳を過ぎたら、濃度と量を見直すタイミングだと思ってください。

なお、みがいたあとに何度もうがいをすると、せっかくのフッ化物が流れてしまいます。
少量の水で1回さっとが基本です。

夏休みのうちに、をおすすめする理由

さて、本題です。なぜ夏休み中がいいのか。

① 時間が取れる
2学期が始まると、授業に習い事に、平日の受診はぐっと難しくなります。特に治療が数回必要な場合、間があいてしまうと途中で止まりがちなんですね。

② お子さんの気持ちに余裕がある
学校のあと、疲れた状態で歯科医院に来るのと、午前中にゆっくり来るのとでは、お子さんの様子がまるで違います。初めての治療なら、なおさらです。ここで「歯医者は怖くない」と感じてもらえるかどうかは、その後の何十年かに効いてきますよ。

③ 進行が早いから
先ほどお伝えしたとおり、生えたての永久歯のむし歯は進みが早い。春に「要受診」だったものが、秋にはもう一段進んでいる——ということが実際に起こります。

とはいえ、もう間に合わないということはありません
夏休みが終わってからでも大丈夫です。ただ、「そのまま忘れる」がいちばん困るので、カレンダーに入れるところまでを今日やっていただけたら、と思います。

お子さんのお口については小児歯科・マタニティ歯科のページも、日ごろの予防については予防歯科のページもご覧ください。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、健診のお知らせを持って来られたお子さんに、治療を始めることはしません

まず一緒にお口の中を見て、「ここが気になっているところだよ」と本人に説明します。
鏡で見せると、小さなお子さんでも意外としっかり理解してくれるんですよ。

それから、削らずに様子を見られる段階のものもあります
健診で印がついていても、すぐ治療とは限らないんですね。
フッ素を塗って経過を見る、溝を保護する処置で進行を防ぐ——選べる手はいくつもあります。
ですから「行ったら削られる」と身構えなくて大丈夫ですよ。

保護者の方に「仕上げみがき、もうやめてしまいました?」とお聞きすることもあります。
奥歯が生えそろうまでは、時々でいいので大人の目を入れていただきたいんです。
届かない場所の話をしましたが、せめて見える範囲だけでも、ですね。

川越で学校歯科健診のご相談は

「要受診と書かれたけど、どのくらい急ぐの?」——そんなご相談だけでも構いません。お口を見せていただければ、急ぐものかどうかをお伝えします。

一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する

夏休みのうちに、ひとつ宿題を片づけておきませんか。

▶ 関連記事:親子で続けたい仕上げ磨き3つのコツ子どもの歯を守るには?まとめ


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。お子さんが歯科医院を怖い場所と感じないよう、説明と声かけを大切にしています。

出典
・ライフステージ別にみたむし歯の特徴|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
・シーラント(予防法)|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院でご相談ください。