お口にいい環境
「最近、出かけなくなった」はお口の衰えのサイン?食事の多様性との関係
一デンタルパーク院長の武内です。
患者さんのご家族から「最近、親が出かけたがらなくなって…」「同じものばかり食べてる気がする」と、気づいて連れて来られるケースによく出会います。
実はこの「外出が減った」「食事のバリエーションが少なくなった」というちょっとした変化、お口の元気度と関係している可能性があるんです。
今日は2026年6月に発表された最新の研究をもとに、見逃しやすい「お口の衰え」のサインについてお話しします。

東北大学の研究でわかったこと
東北大学が2026年6月に発表した研究では、地域で暮らす高齢者を対象に、口の健康状態と「食事の多様性」「外出習慣」、そして心身の総合的な元気さを示す「内在的能力」との関連が調べられました。
その結果、口が健康な人ほど、食事に不便がなく、外出にも抵抗なく行ける傾向があることが示されています。逆にいえば、噛む力や飲み込む力が落ちてくると、食べられるものが偏り、人と会って出かける機会そのものが減っていく、という流れが起こりやすいわけですね。
この変化は「オーラルフレイル」と呼ばれる、お口のささいな衰えが全身の衰えにつながっていく現象の一部です。以前のブログでもオーラルフレイルの基本についてお伝えしましたが、今回は特に「食事の多様性」と「外出頻度」という、ご家族でも気づきやすいサインに注目してみたいと思います。
なぜ「外出が減る」ことがサインになるの?
「口の衰えと外出、関係あるの?」と思われるかもしれません。実は理由はシンプルです。
①硬いものが噛みにくくなる→自然と柔らかいものばかり選ぶようになり、食事の種類が減る
②人と話すときに滑舌が気になる→会話や外食の場を避けがちになる
③食べこぼしや誤嚥が気になる→外での食事に自信が持てなくなる
こうした小さな不安の積み重ねが、結果的に「出かけるのが億劫」という行動の変化として表れてくるんですね。ご本人は「年のせい」と思っていることも多いのですが、実はお口のケアで防げる部分が少なくないんですよ。
見逃しやすい「お口の衰え」セルフチェック
ご自身やご家族に、こんな変化はありませんか。
- 硬いもの(お肉、たくあんなど)を避けるようになった
- 食事の品数や種類が以前より減った
- お茶や汁物でむせることが増えた
- 滑舌が悪くなった、口の中で食べ物をまとめにくい
- 人と会う予定や外出が減った
複数当てはまる場合は、放っておくとむし歯・歯周病治療が必要な状態や、誤嚥性肺炎のリスクにつながることもあるため、早めに歯科でチェックしてもらうことをおすすめします。
今日からできる対策
大がかりなことは必要ありません。今日から意識できることを挙げてみますね。
- よく噛んで食べる:一口30回を目安に。噛む力そのもののトレーニングになります
- 「あいうべ体操」を1日数回:口周りと舌の筋肉を鍛える簡単な体操です
- 食事の種類を意識的に増やす:同じメニューが続いていないか、週単位で振り返ってみましょう
- 定期的に歯科でチェック:噛み合わせや歯の本数は、噛む力に直結します
これらは特別な道具もいらず、今日から始められるものばかりです。ご家族で「最近ちゃんと噛めてる?」と声をかけ合うだけでも、早期発見のきっかけになりますよ。
一デンタルパークではどのようにしているか?
当院では、むし歯や歯周病の治療だけでなく、噛む力や飲み込む力といった「お口の機能」全体を見ながら診療するようにしています。定期検診の際に「最近、食べにくいものはありませんか?」とお声がけすることも多いんですね。
ご本人が気づいていない小さな変化でも、歯科医師の目から見ると気づけることがあります。だからこそ、予防歯科としての定期的な通院を大切にしていただきたいと思っていますよ。ご家族の付き添いでの受診も大歓迎ですので、気になることがあれば遠慮なくお声がけください。
▶ 関連記事:「オーラルフレイル」とは?健康寿命を縮める口の衰え
気になる方はご相談ください
「最近、噛みにくそうにしている」「出かけるのを面倒がるようになった」——そんな変化に気づいたら、一人で抱え込まずに歯科医院にご相談ください。
一デンタルパーク(埼玉県川越市/川越駅最寄り)では、お口の状態を丁寧に確認したうえで、無理のないケア方法をご提案しています。
- 医院名:一デンタルパーク(埼玉県川越市・川越駅)
- お電話でのご予約:049-257-5979
- ネット予約はこちら:一デンタルパーク ネット予約
監修者プロフィール
武内一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)
出典
- 東北大学プレスリリース「オーラルフレイルと内在的能力の関連を明らかに」(2026年6月3日)







