カズデンタルブログ

「抜けた歯は牛乳に」|夏休みに増える子どもの歯のケガ、3つのポイント

一デンタルパーク院長の武内です。

夏休みに入ってから、川越の当院にも「子どもが転んで前歯をぶつけた」というお電話がぽつぽつ入るようになりました。
プール、自転車、公園の遊具。思いきり体を動かせる季節だからこそ、夏休みのこの時期は毎年決まってお口のケガが増えるんですね。

そして、こういうときのお電話は、たいてい保護者の方の声が震えています。無理もありません。血が出て、子どもは泣いていて、どうしていいか分からない。

だから今日は、その瞬間に何をすればいいかだけを、できるだけシンプルにお伝えします。読んでおくだけで、慌て方がまったく変わりますよ。

夏休みに子どもが歯をぶつけたときの応急処置を解説する、川越の一デンタルパークの明るい診療室のイメージ

抜けた歯も「元に戻せる」ことがあります

まず、いちばん知っていただきたいことから。

歯が丸ごと抜けてしまっても、条件がそろえば元の場所に戻せる(再植といいます)ことがあります
「抜けた=もうおしまい」ではないんです。
これを知らずに、抜けた歯をティッシュに包んで乾かしてしまうと再植はできません。

カギになるのが、歯の根っこの表面についている歯根膜(しこんまく)という薄い組織です。
歯と骨をつなぐクッションのような役割をしていて、これが生きていれば、また骨とくっついてくれる可能性があります。

ところが、この歯根膜は乾燥にとても弱い。乾いた場所に置いておくと、短時間で弱ってしまうと報告されています。

つまり応急処置の目的はただ一つ、歯根膜を乾かさないこと。これだけ覚えて帰ってください。

最初の30分でやること3つ

慌てている場面で思い出せるよう、3つに絞りますね。

① 歯は「白い部分」を持つ

抜けた歯を拾うときは、噛む面や白い部分(歯冠)をつまんでください。根っこの部分は触らない
理由は、そこに大事な歯根膜がついているからです。指でつまむだけでも傷んでしまいます。

② 洗うなら、流水で10〜20秒だけ

砂や土がついていたら、水でさっと流す程度にとどめます。石けん・塩水・消毒液は使わない、ゴシゴシこすらない
きれいにしようとするほど、歯根膜を削り落としてしまうんですね。ここは「汚れていても、乾かすよりマシ」と思ってください。

③ そのまま牛乳に入れる

いちばん良いのは、汚れていなければ元の穴にそっと戻すか、本人の唇と歯ぐきの間(頬の内側)に含ませておくことです。
ただ、小さなお子さんだと飲み込む心配があるので、その場合は牛乳へ。

なぜ牛乳かというと、水道水と違って歯の細胞にやさしい成分バランスで、歯根膜を長めに保護してくれるからです。
市販の「歯の保存液」があれば理想的ですが、たいていのご家庭には牛乳のほうがありますよね。

そして、できれば30分〜1時間以内に歯科医院へ。早ければ早いほど、選べる手が増えます。

やってはいけない3つのこと

逆に、よかれと思ってやってしまいがちなNGも挙げておきます。

  • ティッシュや乾いたガーゼに包む:いちばん多い失敗です。乾燥=歯根膜にとって致命的なんですね
  • 水道水にずっと浸けておく:短時間の洗浄はOKですが、長く浸けると細胞が傷んでしまうと言われています
  • 「乳歯だから」と歯を捨ててしまう:捨てずに持ってきてください。乳歯は永久歯の芽への影響を考えて対応が変わることがあるので、戻すかどうかは歯科医師の判断に任せていただくのが安心です

なお、歯が抜けていなくても、欠けた・グラグラする・唇や歯ぐきが切れたというときも同じです。

見た目が軽くても、入試以外の部分への影響が出ることがありますので気をつけていただきたいです。

出血しているときは、まず押さえる

歯そのものより、唇や歯ぐきからの出血のほうが派手に見えることがよくあります。

清潔なガーゼやハンカチで5分ほど、じっと押さえてください。途中で何度も外して確認すると、止まりかけた血が止まらなくなります。ほっぺたの外側から冷やすのも有効ですよ。

お子さんは、保護者の方の慌て具合を敏感に感じ取ります。

「大丈夫、押さえてれば止まるからね」と声をかけてあげるだけで、ずいぶん落ち着いてくれるものです。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、来院されたら、ぶつけた歯だけでなく、周りの歯や噛み合わせ、レントゲンでの根の状態もあわせて確認します。
ケガの影響は、その日には見えてこないこともあるためです。しばらく経過をみせていただくことも少なくありません。
まず来ていただけたことがいちばん大事です。迷ったらまずお電話ください。

お子さんのお口全般については小児歯科・マタニティ歯科のページを、歯や顎のケガの詳しい対応については口腔外科のページもあわせてご覧いただければと思います。

川越でお口のケガのご相談は

夏休みはまだ続きます。この記事を、スマートフォンのブックマークにでも入れておいていただけたら嬉しいです。いざというときに開けるだけで、行動が変わりますから。

一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する

ケガのときは、まずお電話でご相談ください。状況を伺いながら、ご来院までの対応をお伝えします。

▶ 関連記事:子どもの歯を守るには?まとめ親子で続けたい仕上げ磨き3つのコツ


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。お子さんが歯科医院を怖い場所と感じないよう、声かけと説明を大切にしています。