カズデンタルブログ

「もう2週間、治らないんです」|夏の口内炎と、見逃したくないサイン

一デンタルパーク院長の武内です。

八月に入りました。暑い日が続いております。体調に気をつけて楽しく過ごしましょう!

この時期、川越の当院で増えるご相談のひとつが「口内炎」です。

暑さで食欲が落ちて、栄養が偏る。
寝苦しくて睡眠が浅くなる。
冷たいものばかりで胃腸が弱る。——夏はどうしても、体の抵抗力が落ちやすい季節なんですね。そこに疲れが重なると、お口の中の粘膜は正直に反応します。

口内炎の治し方も大切ですが、「どこまでが様子見で、どこからが受診してほしいのか」というお話です。
ここを知っているかどうかで、後々の安心感がまるで違ってきますよ。

夏の口内炎と受診の目安について解説する、川越の一デンタルパークの明るく清潔な診療室のイメージ

ほとんどの口内炎は1〜2週間で治ります

いちばん多いのは「アフタ性口内炎」と呼ばれるもので、白っぽい丸い潰瘍が頬の内側や舌にできるタイプです。
触ると痛くて、食事がしみる。あの厄介なやつですね。

原因は、疲労やストレス、ビタミン不足、免疫の低下、それにうっかり噛んでしまった・矯正装置が当たったといった機械的な刺激などが挙げられます。

そして大事なのは、こうした一般的な口内炎は、多くの場合2週間ほどで自然に治っていくということ。
ですから、できた直後に慌てる必要はまったくありません。

覚えていただきたいのは「2週間」という物差し

問題は、その2週間を過ぎても治らないときです。

日本口腔外科学会も、注意すべきサインのひとつとして2週間以上治らない症状を挙げています。理由はシンプルで、お口の粘膜には口内炎以外の病気もできるからなんですね。

たとえば、こんなものがあります。

  • 白板症(はくばんしょう):こすっても取れない白い病変
  • 紅板症(こうばんしょう):鮮やかな赤いビロード状の病変
  • 口腔カンジダ症:カビ(真菌)の一種による白い苔のような付着
  • 扁平苔癬(へんぺいたいせん):レース模様のような白い変化

このうち白板症や紅板症は、放っておくと一部ががん化することがあると報告されています。だからといって「白いもの=がん」では決してありません。ここは落ち着いて受け止めてくださいね。

ただ、見た目だけで自己判断するのは難しいです。必要に応じて検査をして「これは何か?」ということを確かめます。

鏡でできるセルフチェック

お風呂上がりにでも、明るい場所で口の中をのぞいてみてください。見るのは4か所です。

  1. 舌の上と、舌のふち:ふちは自分で見えにくいので、舌を横に出して確認します
  2. 頬の内側:指で軽く引っぱって広げると見えます
  3. 歯ぐきと、唇の裏側
  4. 舌の裏と、その下の床の部分

そのうえで、次のような変化があれば、一度診せていただきたいところです。

2週間以上たっても治らない、または大きくなっている。
こすっても取れない白い部分や、境目のはっきりした赤い部分がある。
しこりのように硬く触れる、盛り上がっている。
触れていないのに出血する。
口が開けにくい、飲み込みにくい、舌が動かしにくい。

国立がん研究センターの情報でも、お口の中に違和感があるときは鏡で確認してみること、そして症状があれば歯科口腔外科などを受診することが勧められています。

なお、口腔がん自体は「人口10万人あたり6例未満」の希少がんとされています。確率としては非常に少数になります。

鏡で見える場所にできるからこそ、早く気づける可能性がある——そこが他の臓器と違う点なんですね。

今日からできる、口内炎を減らす習慣

治療というより、できにくい環境をつくるという考え方です。

① 睡眠を少し増やしてみる
粘膜の修復は寝ている間に進みます。夏は寝苦しいですが、就寝時間を早めるより、まずは寝室を涼しくするほうが現実的かもしれません。

② ビタミンB群を意識する
豚肉、卵、納豆、レバーなど。夏はそうめんやアイスに偏りがちなので、一品足すくらいの気持ちで十分ですよ。

③ 刺激を減らす
とがった歯や合わない詰め物、入れ歯が同じ場所に当たり続けていると、そこばかり繰り返し口内炎になります。同じ場所に何度もできる方は、原因が歯や装置の側にあることが多いので、ぜひご相談ください。

④ うがいで清潔に、でもゴシゴシしない
痛い部分を歯ブラシで無理に磨く必要はありません。刺激を与えるほど治りが遅くなります。やさしく、が基本です。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、口内炎のご相談をいただいたとき、まず「いつからか」「同じ場所か」「大きくなっているか」をお聞きするようにしています。この3つで、様子を見ていいものか、そうでないかがかなり見えてくるんですね。

そして、当たっている歯や装置がある場合は、その場で調整することもあります。
原因を取り除かないと、薬を塗っても同じことの繰り返しになってしまいますから。

「こんなことで来ていいのかな」と遠慮される方が本当に多いのですが、大丈夫ですよ。むしろ「何ともなかったですね」で終われるのが、いちばんいい結果だと思っています。心配を抱えたまま夏を過ごすより、5分見せていただいたほうが早いですよね。

必要と判断した場合は、より詳しい検査ができる医療機関をご紹介することもあります。詳しくは口腔外科のページを、日ごろのお口の管理については予防歯科のページもあわせてご覧ください。

川越で口の中の気になる症状は、お気軽に

「2週間」という物差しだけ、頭の片隅に置いておいてください。それを超えたら、迷わず診せていただければと思います。

一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する

暑い時期ですので、どうぞご無理なさらずお過ごしくださいね。

▶ 関連記事:口腔外科の基礎知識まとめ口臭の約8割はお口の中から|舌のケア3つの習慣


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。「痛くなる前に立ち寄れる歯科医院」を目指しています。

出典
・口腔粘膜疾患|口腔外科相談室(公益社団法人 日本口腔外科学会)
・口腔がん|がん情報サービス(国立研究開発法人 国立がん研究センター)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状についてはかかりつけ歯科医院・医療機関でご相談ください。