カズデンタルブログ

久しぶりに会うご両親はよくむせていませんか?|お盆に気づきたいお口のサイン

一デンタルパーク院長の武内です。

もうすぐお盆ですね。遠方から川越に越してきた方もいらっしゃると思います。また川越へご家族が帰ってくる、あるいは実家へ帰る。そんな方も多いと思います。

 

高齢の方の診察を行っていると『最近よくむせる』と相談がありました。

相談をいただく場合、自覚症状があるので分かりやすいのですが、ほとんど自覚症状がない場合もあります。
毎日少しずつ変わっていくものは、自分では気づけません。
久しぶりに会う人だからこそ見える変化がある——こういった気づきを大切にしてほしいです。

お盆の帰省で高齢の親のお口の健康を気づかう家族と、川越の一デンタルパークをイメージした明るい食卓の風景

「むせる」は、年のせいだけではありません

お茶を飲んでむせる。食事の途中でせき込む。ご家族はつい「歳だからね」と流してしまいがちです。

でも、飲み込む力(嚥下機能)が落ちてくると、その先に気をつけたい病気があります。誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。

飲み込む力が落ちると、食べ物や唾液が誤って気管に入りやすくなります。そのときお口の中の細菌が一緒に肺へ入り込み、肺に炎症を起こすのが誤嚥性肺炎です。高齢の方の場合、これが寝たきりのきっかけになったり、命に関わったりすることもあるとされています。

免疫力が低下する高齢の方や持病をお持ちの方の場合、これが寝たきりのきっかけになったり、命に関わったりすることもあると指摘されています。

お口の中がきれいかどうかが、肺の安全に直結している
だから私たち歯科医師が、飲み込む力、嚥下力に関心を持っています。

帰省中に、さりげなく見てほしい5つのこと

なんとなくのサインが気づきのきっかけになります。

① 食事中にむせる・せき込む回数が増えていないか
特に、お茶や汁物などのサラサラした液体でむせるのは分かりやすいサインです。

② 食べこぼしが増えていないか
唇や舌の力が落ちてくると、口からこぼれやすくなります。テーブルの周りを見れば分かります。

③ 食べるものが変わっていないか
「最近これしか食べないのよ」——やわらかいものばかりになっているなら、噛む力が落ちているのかもしれません。冷蔵庫の中身の変化は、かなり正直です。

④ 話し方・声がはっきりしなくなっていないか
電話では気づかなかったのに、対面で聞くと聞き取りにくい。舌の動きが落ちているサインのことがあります。

⑤ 口臭や、お口の乾き
入れ歯を使っている方なら、入れ歯を外したときのにおいもひとつの目安です。手入れが行き届かなくなっているケースがあります。

どれかひとつ当てはまったからといって、慌てる必要はありません。
もし気になるような状態であれば、お近くの歯科医院で快適に食べれられるように診てもらえるよ、といった促す言葉をかけてみてください。

口腔ケアには、実は2種類あります

口腔ケアは、大きく2つに分けて考えられています。

  • 器質的口腔ケア:歯ブラシなどの道具で汚れを落とす、いわゆる「お掃除」のケア
  • 機能的口腔ケア:顔や舌の体操、唾液腺のマッサージなど、動かして機能を保つケア

そして、どちらも健康寿命に関わってきます。

「歯みがきはちゃんとしてるから大丈夫」と思っていても、機能のケアが抜けていることは多いんです。
逆に体操だけ頑張っても、お口が汚れていれば肺に入る細菌は減りません。掃除と運動、両輪だと思ってください。

機能的なケアといっても、難しいものではありませんよ。
食事の前に頬をふくらませたり、舌を左右に動かしたり。耳の下や顎の下を指でやさしく押して唾液腺を刺激するといった簡単なトレーニングになっています。
食卓で一緒にやってみると、案外そのまま習慣になります。

お口の機能の衰えについては、以前書いた滑舌チェックの記事もあわせて読んでいただけると分かりやすいと思います。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、ご高齢の患者さんの定期検診で、むし歯や歯ぐきの状態だけでなく、お口の動きや乾き具合、入れ歯が合っているかもあわせて拝見するようにしています。

というのも、入れ歯が合わなくなっていることに、ご本人が気づいていないケースがとても多いからなんですね。
「食べにくいけど、こんなもんだと思ってた」と。少し調整するだけで、食事の楽しさが戻ることもあります。

それから、ご家族から「実は最近こういう様子で」とお話しいただけると、私たちはとても助かります。
診療室の10分では見えない生活の様子こそ、いちばんの情報だからです。代わりにご相談いただくのも大歓迎ですよ。

日ごろのお口の管理については予防歯科のページを、歯ぐきや歯の状態が気になる場合はむし歯・歯周病治療のページもあわせてご覧ください。

川越でご家族のお口のことを相談したい方へ

「本人は大丈夫って言うんだけど、ちょっと心配で」——そういうご相談で構いません。ご本人が渋るようなら、まずはご家族だけでお話を伺うこともできます。

お盆に気づいた小さな変化を、そのままにしないでいただけたらと思います。

一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する

暑い時期の帰省です。どうぞご家族みなさま、お体に気をつけてお過ごしくださいね。

▶ 関連記事:オーラルフレイルの見分け方予防歯科の基礎知識まとめ


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。ご高齢の方の口腔機能の維持にも力を入れています。

出典
・口腔機能の健康への影響|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
・嚥下性肺疾患|健康長寿ネット(公益財団法人 長寿科学振興財団)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院・医療機関でご相談ください。