お口にいい環境
「むせる」「滑舌が落ちた」はお口の衰えかも|オーラルフレイルの見分け方
「最近、お茶を飲んだだけでむせるようになって」
「電話で話すと聞き返されることが増えたんです」
診療室でこんなふうにお話しされる患者さんがいらっしゃいます。
多くの方が笑って流してしまうことが多いと思いますが、「あれ?ちょっと待ってくださいね…」とお伝えしています。
こうした小さな変化は、オーラルフレイル(お口の機能が少しずつ衰えていくこと)のサインかもしれないからです。
私たち一デンタルパークにも、この「なんとなくの違和感」をきっかけにいらっしゃる方が増えてきました。
今日は一緒に、その見分け方を考えてみましょう。

オーラルフレイルって何?「歯の残っている本数」の話ではありません
オーラルフレイルとは、「オーラル(口)」と「フレイル(虚弱)」を組み合わせた言葉で、加齢などによって始まるお口の機能のささいな衰えを指します。
ここで大事なのは、歯が何本残っているかという話ではないという点です。
むしろ、噛む力・舌の動き・飲み込む力・口の潤いといった「機能」が落ちていないかが焦点なんですね。
歯がしっかり残っていても、機能が落ちている方はいらっしゃいます。筋力が落ちていている様子のイメージになります。
そして意外に思われるかもしれませんが、オーラルフレイルは高齢者だけの問題ではなく、人によっては40代から始まるとされています。「まだ早い」と思っている世代こそ、知っておいてほしい話なんです。
最新研究:お口の衰えは、心身の力の低下と広く関係していた
2026年、東北大学の研究グループが、宮城県・秋田県のフレイル健診に参加した65歳以上の方692名を対象にした調査結果を発表しました。
そこで分かったのは、オーラルフレイルに当てはまる項目が多い人ほど、心身の総合的な力(内在的能力)の低下も広い範囲で見られたということです。
さらに、外出が減って家にこもりがちになることが、その関係を一部つないでいる可能性も示されました。
お口の機能の低下からこのような関係で悪い連鎖が起こりうるということですね。
- お口の機能が落ちる → 食べられるものが減る
- 食事が偏り、栄養が不足しがちになる
- 体力や気力が落ちて、外出がおっくうになる
- さらに全身の機能が低下していく
「たかがむせ、たかが滑舌」と思われるかもしれませんが、その入り口に立っているかどうかを早めに知ることには、大きな意味があると思いますよ。
お口の衰えセルフチェック|当てはまるものはありますか?
日本歯科医師会などが示しているサインをもとに、ご自身やご家族の様子を振り返ってみてください。
- 食事中にむせることが増えた
- 食べこぼしが多くなった
- 硬いものが食べにくくなり、やわらかいものを選ぶようになった
- 滑舌が悪くなった、舌が回りにくい
- 口の乾きが気になる
- 抜けた歯をそのままにしている
2つ以上当てはまる方は、一度歯科医院で相談していただくのがおすすめです。ただ、慌てる必要はありませんよ。オーラルフレイルは、気づいた時点で対策すれば十分に取り戻せる段階とされています。ここが虫歯や歯周病の進行と違うところで、私はむしろ「早く気づけてよかったですね」とお伝えしています。
今日からできる、お口の機能を保つ習慣
特別な器具はいりません。日常の中でできることから始めてみましょう。
- 一口30回を目安によく噛む:噛む回数が増えると唾液も出やすくなり、舌や頬の筋肉も自然に鍛えられます。急いで飲み込む癖がある方は、まず「箸を一度置く」だけでも変わりますよ。
- やわらかいものばかり選ばない:食べやすさを優先しすぎると、噛む機会そのものが減ってしまいます。根菜やきのこ、海藻など、少し噛みごたえのある食材を意識して取り入れてみてください。
- 「パ・タ・カ・ラ」体操:「パ」「タ」「カ」「ラ」を、一音ずつはっきり発音します。それぞれ唇・舌先・のど・舌の付け根を使う音なので、飲み込みや滑舌に関わる部分をまとめて動かせるんです。朝の身支度のついでに10回ずつ、で十分です。
- 声を出す機会をつくる:人と話す、歌う、音読する。どれもお口の立派な運動です。一人暮らしの方ほど意識してほしいポイントですね。
- 抜けた歯を放置しない:歯が抜けたままだと、噛む力のバランスが崩れ、残った歯にも負担がかかります。ブリッジや入れ歯、インプラントなど選択肢はいくつかありますので、状態に合った方法を歯科医師と相談してください。
一デンタルパークではどのようにしているか?
当院では定期検診の際に、虫歯や歯ぐきの状態だけでなく、噛み合わせや飲み込みの様子、お口の乾き具合もあわせて拝見するようにしています。患者さんとお話ししていると、滑舌や声の出方から気づけることも多いんですね。
「むせるくらいで受診していいのかな」と遠慮される方がいますが、大丈夫ですよ。むしろそのくらいの段階で来ていただけるのが一番ありがたいんです。困ってから治すより、困る前に保つ。予防歯科の考え方は、お口の機能についてもまったく同じだと思っています。
ご家族の変化が気になる、という形でのご相談も歓迎しています。ご本人はなかなか自覚しにくい部分ですからね。
川越でお口の衰えが気になる方へ
むせ、滑舌、噛みにくさ。どれも「年のせい」で片づけられがちですが、早めに気づいて手を打てば、お口の機能は保っていけると報告されています。
一デンタルパークは川越駅からアクセスしやすい歯科医院です。ご自身のこと、ご家族のことで気になる点があれば、お気軽にご相談ください。一緒に確認していきましょう。
医院名:一デンタルパーク(埼玉県川越市/川越駅)
電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する
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監修者プロフィール
武内一広(たけうち かずひろ)|歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)







