カズデンタルブログ

滑舌チェックでわかる口の衰え|今日からできる「お口の若返り」習慣

「最近、なんだか滑舌が悪くなった気がする」「早口言葉がうまく言えなくなった」——そんな変化を感じたことはありませんか。

一デンタルパーク院長の武内です。
当院にも、ご本人やご家族から「話しにくそうにしている」「食事の時にむせるようになった」といったお声が寄せられることがあります。
実はこの「噛む・話す」機能のちょっとした衰え、単なる老化現象と片付けてしまうのはもったいないかもしれません。
最近の研究で、口の巧緻な動きの低下が脳の健康状態と関わっている可能性が示されているのです。

今回は、口の機能と認知機能の意外な関係、そして今日からできるセルフチェックとケア習慣についてお話しします。

川越の歯科医院で滑舌チェックや口の体操に取り組む高齢の女性

実は「噛む・話す」機能の衰えが脳のサインかもしれません

これまで、噛む力(咀嚼機能)の低下と全身の健康との関係はよく知られてきました。
これをチェックするために「パ」「タ」「カ」といった音をできるだけ速く連続して発音してもらい、その回数を測定する検査を行います。
唇・舌・のどの筋肉を素早く正確に動かせるかを見ているんですね。
公的な歯科検診にも取り入れられています。

研究によると、この中でも「カ」の発音のスピード低下が、軽度認知障害(MCI)のリスク因子である可能性が示唆されています。
歯周病原細菌が脳へ影響を及ぼす経路や、全身性の炎症を介したメカニズムの解明も進んでおり、「歯周病・口の衰え」と「脳の健康」は双方向に影響し合っているのではないかと考えられています。

また、国立長寿医療研究センターの調査でも、認知機能の状態と歯科受診やお口の状態との関連が報告されています。もちろん「滑舌が衰えた=認知症」ということでは決してありません。ただ、口の変化が脳の健康状態を映す「窓」になり得るという視点は、私たち歯科医療者にとっても新しい気づきです。

こうした背景から、歯周病治療といったお口のケアは、単に歯を守るだけでなく、全身や脳の健康にもつながる大切なケアだと言えそうです。詳しくはむし歯・歯周病治療のページもご覧ください。

セルフチェックしてみましょう「パ・タ・カ」体操

ご自宅でも簡単にできるチェック方法をご紹介します。

  • 「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間、できるだけ速く連続して発音する:何回言えたか数えてみましょう。一般的には1秒に6回以上が目安とされていますが、大切なのは回数そのものより「以前と比べてどうか」という変化です
  • 早口言葉に挑戦してみる:「生麦生米生卵」など、慣れ親しんだ早口言葉がすらすら言えるかどうかも一つの目安になります
  • 食事中にむせる・食べこぼしが増えたかを振り返る:飲み込みの力も、口の巧緻運動と関わりが深い機能です

うまく言えなくても心配しすぎる必要はありません。まずは「今の状態を知る」ことが第一歩ですよ。

今日からできる「お口の若返り」習慣

日々のちょっとした積み重ねで、体の機能をしっかり使うことで、口の機能は維持・改善が期待できます。

パタカ体操を習慣にする…「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」を一日数回、声に出してみましょう。テレビを見ながらでも構いません
よく噛んで食べる…一口30回を目標に、意識して噛む回数を増やしてみてください。噛む筋肉は使わないと衰えていきます
会話や歌を楽しむ…声を出す機会そのものが口の運動になります。家族との会話、電話、カラオケなど、「話す」時間を意識的に増やしてみましょう

口の体操も「毎日少しずつ、継続すること」が効果を実感する近道です。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、むし歯や歯周病の治療だけでなく、噛む力やお口の動きといった機能面にも目を向けた診療を心がけています。
定期検診の際に「話しにくさを感じることはないか」「食事でむせやすくなっていないか」といった変化も、できるだけ伺うようにしていますよ。

もちろん、滑舌の変化がすべて脳の問題に直結するわけではありません。
加齢による自然な変化であることも多いですし、入れ歯や噛み合わせの調整で改善するケースも少なくないんです。
ご本人やご家族が「あれ?」と感じた変化があれば、一人で抱え込まずに、まずは歯科医院で相談していただくのが安心だと思いますよ。

お口の状態を定期的にチェックすることは、予防歯科の観点からもとても大切な取り組みです。

▶ 関連記事:「オーラルフレイル」とは?健康寿命を縮める口の衰え

気になる変化があれば、お気軽にご相談ください

「滑舌が気になる」「噛みにくさを感じる」など、ちょっとした変化でも構いません。一デンタルパーク(埼玉県川越市・川越駅近く)では、院長の武内一広が丁寧にお話を伺い、お口の状態を確認いたします。


監修者プロフィール
武内一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)

出典

  • 国立長寿医療研究センター「認知機能と歯周病についての研究成果」
  • 日本歯周病学会誌「認知機能と口腔の健康:最新の知見と今後の展望」