カズデンタルブログ

歯周病を治すと透析リスクが下がる?糖尿病とお口の深い関係

一デンタルパーク院長の武内です。

診療室で糖尿病をお持ちの患者さんとお話ししていると、「血糖値のことで内科の先生から歯の治療も歯科kりしてもらって」とおっしゃる方が増えています。実際、お口の中と血糖値、そして腎臓の健康は、私たちが思っている以上に深くつながっているんです。

糖尿病をお持ちの方が定期的に歯周病の治療を受けると、将来の人工透析へ進むリスクが下がる可能性がある、という報告です。
今日はこの新しい知見を、一デンタルパークの立場でやさしくお伝えします。

歯周病と糖尿病の関係を考える中高年の男性と、川越の歯科医院で行う予防歯科のイメージ

そもそも歯周病と糖尿病は「お互いに悪さをする」関係

歯周病と糖尿病は、片方が悪くなるともう片方も悪くなりやすい、いわゆる「双方向の関係」にあると言われています。

  • 糖尿病の病状は歯周病を悪化させる:血糖値が高い状態が続くと、歯ぐきの血管や免疫の働きが弱まり、歯周病菌に対する抵抗力が落ちてしまうんですね。
  • 歯周病の悪性度は血糖値が上げる:歯周病は歯ぐきに慢性的な「炎症」を起こします。この炎症から出る物質が、血糖値を下げるインスリンの働きをジャマしてしまうと考えられています。

だから歯周病は「糖尿病の第6の合併症」と呼ばれることもあるほど。お口のケアが、実は血糖コントロールの一部でもある、というわけです。

東北大学の研究でわかったこと

今回注目されたのは、糖尿病をお持ちの40〜74歳、約10万人分の保険診療データを解析した研究です(Journal of Clinical Periodontology, 2025年)。ざっくりまとめると、こういう結果でした。

  1. 年1回以上、歯周病の治療・メインテナンスを受けていた方は、人工透析に進むリスクが約32%低下
  2. 年2回以上(半年に1回ペース)受けていた方は、リスクが約44%低下

つまり、こまめにお口のメンテナンスを続けている方ほど、腎臓を守れる可能性が高かった、と報告されているんです。

もちろん、これは「歯を治せば必ず透析を防げる」という話ではありません。糖尿病の治療そのものが大切なのは大前提です。ただ、「お口のケアが全身の健康を支える一つの柱になりうる」というのは、とても心強いデータだと思いますよ。

歯周病がどんな病気で、どう進むのかについては、むし歯・歯周病治療のページでも詳しくご紹介しています。

なぜ「お口の炎症」が腎臓にまで関わるの?

不思議に感じる方も多いですよね。歯ぐきの話が、どうして腎臓の話につながるのでしょうか。ポイントは「炎症」と「血管」です。

  • 歯周病で歯ぐきに炎症があると、炎症を起こす物質が血液に乗って全身をめぐります。
  • この状態が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなると言われています。
  • 腎臓は細い血管のかたまりのような臓器。血管がダメージを受けると、腎臓の働きもじわじわ落ちていってしまうんですね。

お口の炎症を抑えることは、こうした全身の「くすぶった火種」を小さくすることにつながる——そんなイメージで捉えていただくと分かりやすいかもしれません。

今日からできる、お口と全身を守るセルフケア

  1. 歯みがきは“強く”より“ていねいに”:ゴシゴシは逆効果です。歯ぐきを傷つけて、かえって炎症を招くことも。毛先を歯と歯ぐきの境目にやさしく当て、小刻みに動かしましょう。
  2. 歯間ブラシ・フロスを1日1回:歯周病菌がいちばん溜まるのは歯と歯の間です。ここは歯ブラシだけでは6割ほどしか落ちないと言われています。「面倒だな」と思う日こそ、寝る前の1回だけでもぜひ。
  3. 糖尿病をお持ちの方は、歯ぐきの変化に敏感に:出血・腫れ・むずがゆさは炎症のサインです。「歳のせい」で片づけず、早めにチェックを。
  4. 定期検診を“半年に1回”を目安に:今回の研究でも、頻度が高いほどリスクが下がっていました。ご自分では取りきれない歯石を、プロがしっかり除去することが大切なんですね。

日々の予防のコツについては予防歯科のページもあわせてご覧ください。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、糖尿病など全身の病気をお持ちの患者さんには、問診の段階でお薬手帳や治療の状況をていねいに伺うようにしています。血糖の状態によって、歯ぐきの治り方や治療の進め方が変わってくるからなんですね。

そして「治して終わり」ではなく、その方の状態に合わせてメインテナンスの間隔をご提案しています。半年に1回の方もいれば、状態によっては数か月ごとにお越しいただく方も。無理に急かすことはしませんので、大丈夫ですよ。まずは「今の歯ぐきがどんな状態か」を一緒に確認するところから始めましょう。

内科と歯科、両方でお体を診てもらう——これが糖尿病をお持ちの方にとって、とても心強い組み合わせだと私は思っています。

気になる方は川越の一デンタルパークへ

「血糖値が気になる」「歯ぐきから血が出る」——そんな心当たりがある方は、一度お口の状態をチェックしてみませんか。早めに手を打てば、それだけ全身の健康にもプラスになります。

一デンタルパーク(埼玉県川越市/川越駅)では、歯周病の検査から予防のメインテナンスまで、患者さんお一人おひとりに合わせて対応しています。治療方針の詳しいことは、診察の際にお気軽にご相談くださいね。

ネット予約https://www.genifix.jp/kazu-dentalpark-caa/p/login/
お電話:049-257-5979

一緒に、お口から全身の健康を守っていきましょう。

▶ 関連記事:20代の歯周病が増えている理由歯周病とは?基礎知識まとめ


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。地域のみなさまのお口の健康を、全身の健康という視点も大切にしながらサポートしています。