カズデンタルブログ

大人の歯みがき粉は「1500ppm」が目安!|パッケージで確かめたいフッ素の濃度

一デンタルパーク院長の武内です。

今日から連休という方も多いのではないでしょうか?

朝晩はすっかり涼しくなりました。

季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですので、どうぞご無理なさらずお過ごしください。

 

診療室でこんなやりとりがあります。

定期検診で、大人の方に新しいむし歯が見つかることがあります。

普段の歯みがきについてお聞きすると、「毎日しっかり磨いていますよ」と教えていただきます。

けど…

どんな歯みがき粉を使っていますか?とお聞きすると、ほとんどの方が首をかしげます。

ご自分の歯みがき粉のフッ素濃度をご存じですか?

今日は、大人の歯みがき粉の選び方と使い方をお伝えします。

洗面台で歯みがき粉のパッケージを確認している大人の手元(フッ素濃度を解説する川越の一デンタルパークのイメージ)

大人にも、むし歯は多く見つかっています

むし歯は子どもの病気、というイメージがあるかもしれません。

ですが、日本口腔衛生学会など4つの歯科学会の提言には、こう書かれています。

成人では約3人に1人が未処置のむし歯を持っている。

さらに、高齢者ではむし歯を経験した人が増加しているとされています。

歯を長く残せる人が増えたぶん、むし歯になる可能性のある歯も増えている、ということです。

大人になってからも、むし歯予防は続きます。

 

6歳から大人まで、推奨は「1500ppm」です

2023年1月、4つの歯科学会が合同で「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」を発表しました。

日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会の4学会です。

その中で、6歳〜成人・高齢者は1500ppmFが推奨されています。

日本の製品に合わせて、1400〜1500ppmFと幅を持たせて示されています。

ppmというのは濃度の単位です。

1500ppmなら、歯みがき粉の0.15%がフッ素ということになります。

 

予防効果が認められているのは1000ppm以上です

ここはぜひ知っておいていただきたいところです。

日本小児歯科学会の解説によると、世界保健機関(WHO)は歯みがき粉のフッ素濃度を年齢に関係なく1000〜1500ppmとしています。

そして、1000ppm未満のフッ化物配合歯磨剤では、むし歯予防効果が認められていないことも示されているそうです。

「フッ素入り」と書いてあっても、濃度が低ければ期待した効果が得られないことがあります。

パッケージで濃度を確かめましょう

では、どうやって確かめればいいのでしょうか。

いちばん確実なのは、パッケージの表示を見ることです。

「1450ppm」「1500ppm」「高濃度フッ素」などと書かれていれば、推奨の範囲に入ります。

ただ、ひとつ困ったことがあります。

4学会の提言には、多くの市販の歯みがき粉でフッ素濃度が記載されていないことが、大きな問題として挙げられています。

歯みがき粉の国際規格(ISO 11609)では、濃度の表示が義務づけられているそうです。

日本でも表示が求められている、というのが学会の立場です。

表示がないものは、濃度が分かりません。

選ぶときは、濃度がはっきり書いてあるものを手に取っていただくのが安心ではないでしょうか。

 

使い方も大事です

濃度と同じくらい大切なのが、使い方です。

4学会の提言では、6歳以上の使い方が次のように示されています。

① 量は歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)

② 就寝前を含めて1日2回歯みがきをする

③ 歯みがきの後は、歯みがき粉を軽くはき出す

④ うがいをする場合は、少量の水で1回のみ

いちばん驚かれるのが④です。

何度もうがいをすると、せっかくのフッ素が流れてしまいます。

口の中がスッキリしなくても、1回で止めてみてください。

慣れるまでは少し違和感があるかもしれません。

ですが、それがフッ素がお口に残っている状態です。

 

インプラントや差し歯がある方も、使って大丈夫です

「インプラントが入っているけれど、フッ素入りを使ってもいいの?」

こんなご質問もいただきます。

4学会の提言には、チタン製の歯科材料が使われていても、歯がある場合はフッ化物配合歯磨剤を使用すると明記されています。

残っているご自分の歯を守るためにも、フッ素入りの歯みがき粉を使ってください。

インプラントのお手入れについてはインプラントは入れてからもお手入れが必要でまとめています。

 

歯ぐきが下がってきた方は、特に意識してください

年齢とともに歯ぐきが下がると、歯の根っこが見えてきます。

根っこの部分は、歯の表面よりやわらかく、むし歯になりやすい場所です。

4学会の提言でも、根面う蝕(歯の根っこのむし歯)の予防について触れられています。

歯ぐきが下がってきた方は、フッ素濃度をより意識していただきたいと思います。

くわしくは歯の根元の虫歯「根面う蝕」を防ぐには?をご覧ください。

お子さんの歯みがき粉の選び方は、子どもの虫歯予防にフッ素は効果的?で年齢別にご紹介しています。

 

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、定期検診のときにどのような歯みがき粉を使用していますか?とお聞きすることがあります。

フッ素濃度が書かれていないものもありますので、次回買い換えるタイミングにはこちらがいいですよとおススメさせてもらうことがあります。

それから、うがいの回数もお聞きします。

「5回くらいかな」という方がとても多いです。

そこを1回に変えるだけでも、毎日の歯みがきの意味が変わってきます。

むし歯全体についてはむし歯とは?原因・進行・予防・治療の基礎知識、日ごろの予防については予防歯科のページもご覧ください。

 

川越でむし歯予防のご相談は

「自分に合う歯みがき粉が分からない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

いま使っているものをお持ちいただければ、一緒に確認します。

一デンタルパーク

連休のあいだに、洗面台の歯みがき粉を一度手に取ってみてはいかがでしょうか?


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。毎日の歯みがきが無理なく続く形を一緒に考えています。

出典

・4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(2023年1月)|公益社団法人 日本小児歯科学会
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article19/

・「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」の補足版(一般の皆様向け)|公益社団法人 日本小児歯科学会
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article20/

・フッ化物配合歯磨剤|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-007.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院でご相談ください。