カズデンタルブログ

よく噛むと、なぜ太りにくいのか|お盆のごちそうと「噛む回数」の話

一デンタルパーク院長の武内です。

お盆に入りましたね。当院はカレンダー通り診療をしています。

帰省先で食卓を囲む、久しぶりに親戚が集まる——ごちそうを食べる機会が続く時期になると思います。

お休みの中で「食べすぎちゃって、ちょっと体重が…」

実はこの話、歯科とけっこう関係があるんですよ。今日はそんなお話をしてみたいと思います。

お盆の食卓で家族がゆっくり食事を楽しむ様子(噛むことの大切さを解説する川越の一デンタルパークのイメージ)

早食いの人は、BMIが高い傾向がある

まず、データからご紹介しますね。

厚生労働省のe-ヘルスネットに、興味深い研究が2つ載っています。

ひとつめは、愛知県で35〜69歳の成人4,742人を対象にした調査です。
ここでは、速食いの人は現在のBMIが高い傾向にあり、さらに20歳の時点からのBMIの増え方も大きかったと報告されています。
年齢や運動量など、ほかの要因を調整したうえでも統計的に意味のある差だったそうです。

ふたつめは、大阪府と秋田県の成人3,287人を対象にした調査。
こちらでは、「速食い」に加えて「お腹いっぱい食べる」習慣がある人は、さらにBMIが高かったと示されています。

「早く食べる」と「たくさん食べる」が重なると、より影響が大きいということですね。
心当たりのある方、いらっしゃいませんか??

「噛ミング30」という考え方

そこで提唱されているのが、「噛ミング30(カミングサンマル)」という運動です。

内容はいたってシンプルで、一口30回噛むことをすすめるというもの。

とはいえ、正直に申し上げると‥
e-ヘルスネットにもこう書かれているんです。「必ずしも容易に実践できる習慣ではない」と。

まったくその通りだと思いますよ。
私も食事のたびに30まで数えて食事を摂っていません。大切なのは回数を絶対に守ることではなくて意識してもらうことです。

① 最初の一口だけ、意識して数えてみる
全部の食事でやろうとすると続きません。一食の最初の一口だけ。
それで「自分がふだん何回くらいで飲み込んでいるか」がわかります。
だいたい10回前後という方が多いですね。

② 一口ごとに箸を置く
これがいちばん効きます。口に入れたら箸をテーブルに置く。
それだけで、噛み終わる前に次を運ぶことがなくなります。
理由は単純で、手が空くと人は次を口に入れてしまうからなんですね。

③ 噛みごたえのあるものを1品足す
根菜、きのこ、海藻、ナッツなど。
やわらかいものばかりの献立だと、意識しても噛む回数は増えません。
材料の側から変えるほうが確実です。

「噛めること」自体が、栄養に影響します

ここからは、もう少し歯科らしい話をさせてください。

同じe-ヘルスネットには、こんなデータも載っています。
「何でもかんで食べることができる」と答えた方の割合は、70歳代で60%ほど、80歳以上では50%ほどにとどまる、というものです。

裏を返せば、80歳以上の方の半数近くは、食べたいものを食べきれていないということになります。

そして問題はその先です。
噛みにくくなると、人は自然と硬い食品を避けるようになります
すると、ミネラル・ビタミン・食物繊維といった栄養素の摂取量が下がり、栄養バランスが崩れていくと指摘されています。

「よく噛む」の前に「噛める」がある。ここが歯科の出番なんですね。歯を守ることは、将来の食事の選択肢を守ることでもあります。

日ごろのケアについては予防歯科のページを、噛みにくさの原因になる歯ぐきの状態が気になる方はむし歯・歯周病治療のページもあわせてご覧ください。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、定期検診のときに「最近、食べにくいものはありますか」とお聞きすることがあります。

噛みにくさって、患者さんご自身がなかなか伝えていただくことがありません。
少しずつ変化することなので、「こんなもんかな」と慣れてしまう。
でも実際には、合わない詰め物ひとつ、抜けたままの奥歯ひとつで、噛める範囲はけっこう変わります。

お盆で食べすぎたな、という方も大丈夫ですよ。数日のことです。
それより、この先何十年ぶんの「噛める」を守るほうが、ずっと大事だと思っています。

川越で噛みにくさが気になる方へ

「硬いものが食べづらくなった」「片側でばかり噛んでいる気がする」——そんな変化があれば、お気軽にご相談ください。

一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する

お盆明け、体を整えるついでにお口も見せていただけたらうれしいです。

▶ 関連記事:オーラルフレイルの見分け方予防歯科の基礎知識まとめ


監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。「食べられること」を守る視点を大切にしています。

出典
・速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院でご相談ください。