歯ブラシ・フロス
電動歯ブラシ、ゴシゴシ動かしていませんか?|性能を活かす当て方のコツ
一デンタルパーク院長の武内です。
診療室でこんな会話をすることがあります。
「電動歯ブラシに変えたんですけど、あんまり効果が出ている感じがしなくて」
くわしく伺ってみると、手磨きのときと同じように、ゴシゴシ横に動かしていることがあります。
長年やってきた動きは、道具が変わっても手が覚えていますからね。
ただ、これだと電動歯ブラシの性能をほとんど活かせていないんです。
今日は、せっかく買ったものをきちんと使いこなすための話をします。

そもそも電動歯ブラシは「振動で落とす」道具
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、電動歯ブラシもの種類があることが紹介されています。
- 音波歯ブラシ:毎秒2万回前後までの高速振動
- 超音波歯ブラシ:さらに高い周波数で振動
振動数に応じて分類があります。共通してこれらの特徴は、高速の振動によって、歯の表面についた汚れ(プラーク)のくっつく力を弱めるという点にあります。
つまり、こすり落とすのではなく、振動で浮かせて落とす道具なんですね。ここが手用の歯ブラシとの決定的な違いです。
だから、自分で大きく動かしてしまうと、せっかくの振動が1か所に届く時間が短くなってしまう。ゴシゴシは効率が悪いどころか、歯ぐきや歯の表面を傷める原因にもなります。
使い方のコツは「3〜5秒、当てて、ずらす」
では、どう使えばいいのか。e-ヘルスネットで示されている基本例はとてもシンプルです。
① 1か所に3〜5秒あてる
歯にそっと当てたら、動かさずに待ちます。振動が仕事をしてくれる時間です。
② 隣にずらす
3〜5秒たったら、隣の歯へ。これを順番に繰り返していきます。「磨く」というより「当てていく」感覚ですね。
③ 全体で3分以内を目安に
長ければいいというものではありません。3分以内が推奨されています。丁寧にやろうとして延々と当て続けるのは、かえって歯や歯ぐきの負担になります。
④ 力を入れない
押しつける必要はまったくありません。毛先が軽く触れていれば十分です。ここも手磨きの癖が出やすいところですね。
なお、超音波タイプだけは手磨きと同じように横に動かして使うとされていますので、お手持ちの機種の説明書はぜひ一度確認してみてください。同じ「電動」でも作法が違うんです。
いちばん見落とされがちなこと
ここが今日いちばんお伝えしたいポイントかもしれません。
電動歯ブラシは、歯と歯の間や隣り合う面の清掃効果は低いとされています。振動の力が届きにくい場所だからですね。
つまり、電動歯ブラシに替えたからといって、フロスや歯間ブラシが不要になるわけではないんです。むしろここは変わらず必要。
「高い電動歯ブラシを買ったから安心」と思っていた方には、少し残念な話かもしれません。でも、逆に言えば1日1回のフロスを足すだけで、その電動歯ブラシは本領を発揮してくれるということでもあります。
歯と歯の間のケアについては予防歯科のページも参考にしてみてください。
歯みがき粉と洗口液の位置づけも整理しておきましょう
ついでに、まわりの道具についても触れておきますね。
歯みがき粉(歯磨剤)は、歯ブラシと一緒に使って清掃効果を高めるものです。フッ化物、抗炎症剤、殺菌剤、酵素といった薬用成分を含むものが多くあります。液体タイプは研磨剤を含まないので、歯の表面にやさしいという特徴がありますよ。
洗口液は、お口の中を洗浄・消毒する液体です。歯みがきのあとの仕上げや、外出先での使用に向いています。ただし——ここは強調しておきたいのですが——洗口液は歯みがきの代わりにはなりません。あくまで補助です。うがいだけで済ませてしまうと、歯にこびりついた汚れは残ったままなんですね。
道具はどれも「歯ブラシを助けるもの」。主役はやっぱり、毛先を当てることです。
一デンタルパークではどのようにしているか?
当院では、電動歯ブラシをお使いの患者さんには、実際にその場で当ててみていただくことがあります。言葉で「3〜5秒ずつ」と伝えても、なかなか体感としてはつかみにくいですからね。
やってみると、「思ったより待つんですね」と驚かれる方が多いです。そのくらい、みなさん無意識に動かしてしまっているんですよ。
それから、機種によって推奨される使い方が違うので、お使いのものを持ってきていただくのがいちばん確実だと思っています。「これで合ってますか」と聞いていただければ、一緒に確認します。
高価なものに買い替える必要はありません。今あるものを正しく使えているか。まずはそこからで十分ですよ。
歯ぐきの状態が気になる方はむし歯・歯周病治療のページもあわせてご覧ください。
川越で歯みがきのご相談は
「自分の磨き方が合っているか自信がない」「電動歯ブラシを買ったけど使いこなせていない気がする」——そんなご相談も歓迎しています。
一デンタルパーク
所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)
お電話:049-257-5979
ネット予約:こちらから予約する
道具を変えるより、当て方を変えるほうが早いこともありますよ。
▶ 関連記事:フロスと歯間ブラシ、どっちを使えばいい?/予防歯科の基礎知識まとめ
監修者プロフィール
武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。毎日のセルフケアを無理なく続けられる形にすることを大切にしています。
出典
・歯みがきを助けるもの(電動歯ブラシ・歯磨剤・洗口液)|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
・歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)|e-ヘルスネット(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院でご相談ください。







