カズデンタルブログ

風邪のあと、上の奥歯が痛む?|歯以外が原因の「歯の痛み」を知っていますか?

一デンタルパーク院長の武内です。

10月に入り、朝晩はずいぶん冷えるようになりました。

いかがお過ごしですか?

季節の変わり目は風邪をひきやすい時期ですので、どうぞ暖かくしてお過ごしください。

診療室で「上の奥歯がズキズキ痛むんです」とご相談を受けることがあります。

診療ではお口の中を拝見し、レントゲンでも確認します。

ただ痛みの原因になるようなむし歯がはっきりと写らないこともあります。

そんな時、「そういえば、先週まで風邪をひいていて鼻がつまっていました」と教えていただくことがあります。

歯の痛みの原因は、いつも歯にあるとは限りません。

今日は、歯以外が原因で起こる「歯の痛み」についてお伝えします。

秋の室内で頬に手を当てて上の奥歯の痛みを気にする女性(歯以外が原因の歯の痛みについて解説する川越の一デンタルパークのイメージ)

歯の痛みには「歯が原因の痛み」と「歯以外が原因の痛み」があります

日本歯科医師会の資料では、歯の痛みを大きく2つに分けて説明しています。

① 歯原性歯痛(しげんせいしつう):歯の神経や、歯を支える歯ぐき・骨などが原因の痛み

② 非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう):歯には原因がない歯の痛み

歯科医院に受診するきっかけとしては、ほとんど歯が原因の「歯原性歯痛」です。

痛みの場所がはっきりしないとき、歯に原因がないのに歯が痛む「非歯原性歯痛」もたびたび遭遇します。

この非歯原性歯痛は、歯の治療が解決策ではありません。

ですので、しっかりと原因がどこにあるのか診断していく必要があります。

 

風邪や鼻の炎症で、上の奥歯が痛むことがあります

頬骨の奥には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があります。

上顎洞は副鼻腔のひとつで、左右の上あごにあります。

副鼻腔は風邪症状など炎症が起きると、その影響で歯が痛むことがあります。

上の奥歯はちょうど上顎洞の真下にあり、鼻の炎症の影響で「痛い」と勘違いしてしまって起こります。

上顎洞炎の治療は、耳鼻咽喉科で対応してもらうことになります。

このように風邪や蓄膿症、アレルギー性鼻炎のあとに上の奥歯が痛むときは、鼻の症状かもしれないなーと考えてることができます。

 

むし歯や歯周病が、鼻の奥に炎症を起こすこともあります

日本口腔外科学会の資料では、上の歯のむし歯や歯周病の細菌による炎症が、上顎洞に広がることがあると紹介されています。

これを「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」といいます。

歯から鼻の炎症となってしまった状態です。

上顎洞は上の歯の根と近い位置にあるため、むし歯や歯周病を放置し、深く侵入した口腔内細菌が病気を作ります。

日本口腔外科学会の資料では、次のような特徴が挙げられています。

① 急性の場合は、歯の痛みに続いて、においの強い膿(うみ)を含む鼻水や、頬の痛みが出る

② 慢性の場合は、歯の痛みは比較的少ない

③ 鼻が原因の場合は両側に起こり、歯が原因の場合は片側だけに起こることが多い

歯性上顎洞炎では、上顎洞の治療と、原因になっている歯の治療を同時に行う必要があります。

片側だけの鼻づまりや、においの気になる鼻水が続くときは、歯の検査も受けてみてください。

歯以外が原因の歯の痛みは、ほかにもいろいろあります

鼻の病気のほかにも、お口周囲や、下顔面で歯の痛みとして感じられる原因が紹介します。

① あごの筋肉の疲れ:かむための筋肉にしこりのようなものができ、主に上下の奥歯に鈍い痛みを感じることがある

② 神経痛:電気が走るような激しい痛みが、瞬間的に起こることがある

③ 帯状疱疹:顔の神経に沿って水ぶくれができ、激しい歯の痛みが続くことがある

④ 片頭痛などの頭痛:歯の神経の炎症とよく似た痛みが出ることがある

⑤ 心臓の病気:狭心症や心筋梗塞に関連して、歩くなど体を動かしたときに歯が痛むことがある

全てが全てはに関連していると言えない場合が多いのですが、特に、体を動かしたときに歯が痛むときは、心臓の専門の医療機関を早めに受診することが大切です。

あごの筋肉の疲れは、食いしばりや顎関節の不調と関わることがあります。

詳しくは歯ぎしり・食いしばりは放置NG?原因とセルフ対策や「顎がカクカク鳴る」「口が開けにくい」|顎関節症との付き合い方でご紹介しています。

歯を削る前に、痛みの原因を確かめることが大切です

歯の治療とは、歯を削る、神経を取る、歯を抜くなど、治療を行うと原状回復ができません。

非歯原性歯痛を歯が原因の痛みとして治療しても、痛みは解消されないと説明されています。

痛みが出たり引いたりをくり返すものもあり、たまたま痛くない時期に治療をすると、治ったように見えてしまうこともあります。

このように原因がどこにあるのかによって、「いますぐ治療に取り掛かった方がいい」のか、「症状によっては今は様子を見た方がいい」のか判断できるようになります。

ちなみに、大きなむし歯があるときは、歯の神経の治療を行います。
こちらについては歯の神経を抜く「根管治療」って何をするの?もご覧ください。

受診のときは、痛みのようすを教えてください

痛みの大きさは測ることができず、感じ方も人それぞれです。

日々の診療では、自覚症状と合わせて、視診、レントゲン診など専門的な診察を行います。

ただ受診のときは、次のようなことを教えていただけると助かります。

① いつから痛むのか、風邪や鼻の症状はあったか

② 痛むのは片側か両側か、上の歯か下の歯か

③ ずっと痛むのか、体を動かしたときや冷たいものを口にしたときに痛むのか

冷たいものでしみる痛みについては歯がしみるのは知覚過敏かも?でまとめています。

一デンタルパークではどのようにしているか?

当院では、歯の痛みで来られた方に、最近風邪をひいたり鼻の調子が悪かったりしませんでしたか?とお聞きすることがあります。

歯に原因が見つからないときは、無理に治療へ進まず、耳鼻咽喉科など適した診療科をご案内することがあります。

お口の外科的な処置や、歯以外の病気との関わりについては、親知らず・抜歯・お口のケガ|「口腔外科」ってどんなときに頼るの?もご覧ください。

川越で歯の痛みのご相談は

「歯が痛いけれど、風邪のせいかもしれない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

歯が原因かどうかを確かめるだけでも、安心につながります。

一デンタルパーク

・所在地:埼玉県川越市(川越駅が最寄りです)

・お電話:049-257-5979

・ネット予約:https://www.genifix.jp/kazu-dentalpark-caa/p/login/

次に歯が痛くなったときは、鼻の調子も一緒に思い出していただけますか?

監修者プロフィール

武内 一広(たけうち かずひろ)/歯科医師・一デンタルパーク院長(埼玉県川越市)。むし歯・歯周病治療から予防歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広く診療。痛みの原因をていねいに確かめ、必要に応じてほかの診療科とも連携しながら、安心して治療を受けていただける形を一緒に考えています。

出典

・非歯原性歯痛|テーマパーク8020(公益社団法人 日本歯科医師会)
https://www.jda.or.jp/park/trouble/toothache-fromother.html

・炎症(歯性上顎洞炎)|口腔外科相談室(公益社団法人 日本口腔外科学会)
https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_ensyo/

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状については歯科医院や医療機関でご相談ください。